【新宿髙島屋】大河原愛 静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか

2023年5月10日(水)~5月22日(月) 新宿髙島屋10階 美術画廊

このたび、大河原愛の個展を5月10日(水)から新宿髙島屋にて開催いたします。
新宿髙島屋では6回目、約4年ぶりとなる個展であり、新作を多数展覧予定しております。
是非ご高覧下さい。


大河原愛「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか」
会期/2023年5月10日(水)~5月22日(月)
  午前10時30分~午後7時30分【最終日は午後4時閉場】
会場/新宿髙島屋 10階 美術画廊
(〒151-8580東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24番2号)


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【ごあいさつ文】

このたび髙島屋では、大河原愛展を開催いたします。

NY滞在中にコンテンポラリーアートや、フランシス・ベーコン、エゴンシーレに代表される近代絵画の影響を受け、不完全と不均衡の往来を孕む美しい人体の表現で今日まで国内外から高い評価を得ている大河原愛。皮膚の下から浮かび上がる骨格や虚ろな視線、繊細でありながら大胆なタッチで綴り、感情の一つ一つを裏付けるかのような色彩の一線。そのどれもが、この世界の現実の中で、言葉になることのできないまるでピースのカケラのような情感を慈しみ、昇華された一筆と一滴により、我々の眼前にうつしだしていきます。

新宿髙島屋にて6回目となる今展では、エンコースティック技法で織りなす抽象表現と具象表現を組み合わせた油彩、独自の技法の支持体(紙)にパステル・木炭で描いていくミクストメディア絵画などによる30余点を展観いたします。

「静かさの内に留まる羊」とは、時に、このような世界の現実に打ちひしがれ、震える我々全てであり、「温もり」とは、慈悲を纏った希望の光でもあります。絵画を通し、性別や人種、宗教をも超え、すべての生きとし生ける生命に一遍の光の如く描かれた今展における一筆の軌跡を、この機会にぜひご高覧賜りますようご案内申しあげます。

髙島屋美術部




【ステートメント】
 
人類の歴史を見ても、人と人は互いに認められたいと思いながらも、互いに傷つけあって何かを奪ったり失ったりする。

それを感じているからだろうか、自分でも不思議なほどに、私は人物像をバランスの取れた完全体として描くことができない。指先まで全て描いても無性に消したくなり、絵の上ではいつもどこかのフォルムが欠けていないと安心できない。私にとって人は不完全な存在であり、だからこそ、私はどこかが欠落した人の姿にリアリティを感じる。その欠落を補うすべを、私は絵の上でも探しているのかもしれない。

今回の個展タイトル「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか」は、そういった不均衡で不完全な人の存在、温もりを追い求めながらも孤独に身を置かざるをえない人の姿や、傷を抱えながらも微笑む人の存在に少しでも寄り添いたくて、また希望を見いだしたくて紡いだ言葉でした。

私は、すべての人が持っている痛みや繊細さみたいなものに、光を当てたいのです。

大河原愛



大河原愛「内なる言葉は雪のように」
綿布に油彩

大河原愛「内なる森に耳を澄まして2」
紙ボード膠地に油彩・アクリル

大河原愛「ただひとつのままで」
綿布に油彩・エンコ―スティック

大河原愛「深層のNoise 1」
パネルにコラージュ・エンコ―スティック

大河原愛「深遠のフォルム」
キャンバスに油彩

大河原愛「Recalling Memories」
紙にパステル・ミクストメディア

掲載作品は、出品作品の一部です。

NODA CONTEMPORARY

TEL 052-249-3155