小口志帆展「名前を落とした日」

    2017年10月20日(金)~11月11日(土)   
OPEN/11:00~18:00 CLOSED/日・月 ※11月3日(金・祝)は開廊いたします
    

                     
                 「置いて行かれないように」 油彩 2016年 455×380mm




小口さんの作品

虚無感や、荒涼、不在。これらに支配された、うつろな無名性の世界。
ちょうど、彼女が感動したという、安部公房の小説の様に、取りつく島の無い、現代の人間関係の不毛な空回りを、絵画として描いているようでもある。
しかし、設定空間のドライな閉塞性と裏腹に、小口さんの作品群は、深い感情が通っていて、しっとり、とした、豊かな絵画性に満ちている。
それは、おそらく、この虚無世界に投げ出された我が身を前提としながらも、それでもなお、偽善者や利己主義者を心より憎み、理想や幸福は、なし得るのだという、人間愛に裏打ちされているからだろう(むしろ三木清的!)

そして小口さんは常に人を驚かす

数ある中、最も驚かされたのは、彼女が、学部四年時に、「絵は描きません!」宣言をしたり(担当教員の僕の目の前を真っ暗にした)、自由に、好奇心のおもむくまま、立体、版画、文章、絵本、(タロットもする、よくあたる!)などの制作に日々を費やしたのち、突如、卒業制作展の直前に、150号の大作2枚を、実質1週間で描き上げてしまったこと、よりも、その作品の豊かさ、17世紀バロックの巨匠から印象派をへて、現代絵画のエッセンスを一筆、一筆通り抜けていくようなストロークにあった。
それは、勘やセンスだけでは描けないものであり、歴史的絵画群への理解と、自らの実存的感性を融合させることが、出来ていたことへの驚きであった。学ぶこと、感じること、だけでなく、それらを融合して、表現にまで高めていくことができる、ことを「才能」というなら、小口さんは、未完ながらも、才能あふれる作家といわなければならないでしょう。

吉本作次
(画家、名古屋芸術大学 教授)

 


●Oil on canvas


「探しもの」、「くつ下」 2017年 227×158mm

「正午」 2017年 1167×910mm

●Drawing

 

「どっかに行って」、「わがまま」、「悪い思い出」(すべて紙にインク)

 


日常の中で私たちが感じる虚無感、そして違和感を豊かな感性で感じ取り、まるで一編の短編小説を書くように、しっとりと丁寧に描きます。
絵画に留まらず、立体、映像、版画、文章それぞれにおいて飛びぬけた才能とセンスを持ち、版画においては独自の技法を生み出すなど、意欲的に
制作活動を行っています。今回は新作の油画を中心に、版画、立体作品などを展示予定です。


 

(おぐちしほ)

愛知県出身 
2013  名古屋芸術大学美術学部 入学
2017  名古屋芸術大学美術学部 卒業

個展
2016 「壁の内側」展 ギャラリーカフェテオ (名古屋)

主なグループ展
2015 「I am 私」展 画廊若林(名古屋)
2017 「BLACK TICKET 2017」N-MARK B1 (名古屋)

受賞
2014  第42回岡崎市民美術展 岡崎市教育委員会賞
2016  納屋橋ムービー動画コンテスト準優秀作品賞 …文章担当
2017  第4回 宮本三郎記念デッサン大賞展 入選
    第11回 全国公募西脇市サムホール大賞展 入選

 



小口志帆展「名前を落とした日」
2017年10月20日(金)~11月11日(土)11:00~18:00

※11月3日(金)文化の日は、特別開廊いたします

【作家在廊日】10月20日・25日11月4日・8日・11日 すべて終日   
会場:NODA CONTEMPORARY
※日、月休み
※入場無料